激動期に成功する人、そうでない人 presidentより


 

今日、我が国の企業のうち、現在の主要事業の5年後の見通しが立たないと考えているのは、7割超だ。テクノロジーの急速な進展により、現在のビジネスが存続するかどうかは、わからなくなっている。

 

 しかし、5年後の見通しが立たないのは、当たり前である。明日に起こることすらわからない上に明日をやり抜くためのキーがわかっていたとしてもそれをうまく利用することは容易ではない。
逆に、AIやIoTといった新興テクノロジーが台頭するなか、見通しが立つと思っている企業のほうが危うい。ある意味、ビットコインやDLTなどのブロックチェーンなどを未だに取り入れることができない日本は、変化を正しく捉え、柔軟に対応していく姿勢が、この激動の時代を生き抜くための準備期間にいるのかもしれない。


都立駒込病院神経外科部長の篠浦伸禎氏は、患者の意識がある状態において「覚醒下手術」を10年に渡って行ってきた。


その中で、患者の左脳と右脳の機能は明らかに異なることがわかった。それはつまり、脳の使い方がどちらかに傾いており、左脳型人間か右脳型人間かに分かれるというのだ。

 

実際、歴史を見てもそれは顕著であることがわかる。例えば、織田信長はどうでしょうか。彼はいわゆるリーダー的なリーダーだ。「泣くのなら殺してしまおうホトトギス」と言ったように、部下を引っ張り命令させる。そして、戦いによって天下統一を目指した。我々はそのようなリーダー的なリーダーをリーダーとして捉えてないだろうか。

 

では、豊臣秀吉を考えてみる。彼は信長のように人を翻弄し、先導していくようなリーダーではない。実際、信長の敵を打ったことにより信長の支配国を統治したように、歴史的に見て、家康が信長の敵を打っていたならば、歴史は変わっていたといいます。しかし、秀吉も列記としたリーダーである。

 

このように、我々が思っている固定観念的なリーダーも様々に分けられるということになる。自分が思っている相手の印象を固定的に考えるのではなく、多角的に見ることが出来れば、相互理解への道は近くなると信じている。


そして、これから社会に出ていくに当たって、職場の上司や仲間のタイプを理解することが出来れば、日頃の人間関係の理解も深まり、マネジメントに役立つのではないだろうか。

 

篠浦氏が言う脳の分け方は具体的に4つ存在する。

 

①左脳3次元型 行動力のある人間

②右脳2次元型 人に尽くす人間

③左脳3次元型 物事を考える人間

④左脳2次元型 人を支える人間


3次元:全体を俯瞰する
2次元:部分を狭く深くみる


        ①左脳3次元型人間
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豊臣秀吉高杉晋作桐野利秋などが挙げられる。
空間の中での動きが速く、思考と発信が同時(思ったことをすぐ言う)。周囲を巻き込む力が強く。常に自由で楽しいことや刺激を求める傾向にある。

    

      ②右脳二次元型人間
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歴史上の人物で例えるなら西郷隆盛坂本龍馬などにあたる。相手に合わせすぎて主体性を失いがちになる。狭く、濃い人間関係を作る。

  

       ③左脳3次元型
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 織田信長徳川家康大久保利通などのリーダー的なリーダーだ。本質を見るスピードや考え方の変化が速く、目的・目標が明確で、結論から考え始める傾向にある。情動的な関わりが苦手である。

 

      ④左脳2次元型人間
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織田信長の敵明智光秀石田三成だ。彼らは、原理原則にこだわって人間関係に問題を起こす。そして、緻密な情報をもとにして、物事の考えを整理整頓するのを得意としている。

       2次元vs3次元


西郷隆盛(右脳2次元)と桐野利秋(右脳3次元)を見てみると、西南戦争をするつもりのなかった西郷は、人のよさから周囲を巻き込み桐野の暴発に乗らざるを得なくなってしまいました。

また、徳川家康(左脳3次元)と石田三成(左脳2次元)も同様だ。豊臣家の存続を信念として行動するが故に、それを脅かす家康とは相性が悪く、追い詰められた三成は関ヶ原の戦いを起こすまでに至る。しかし、正面切った戦いでは3次元が2次元を凌駕します。

 

        左脳vs右脳


秀吉(右脳3次元)は天下をとって以降、物事の本質を掴み、目標に向けて合理的に行動していく家康(左脳3次元)を最も恐れていました。また、桐野利秋は(右脳3次元)は、冷徹な大久保利通(左脳3次元)を前にすると言葉がでなかったそうだ。

2次元同士も同じで、明治維新後に佐賀の乱で破れた江藤新平(左脳2次元)は西郷隆盛(右脳2次元)を頼って薩摩に行きましたが、西郷は拒否しました。左脳2次元の理屈は正しいが人を動かすことの出来ない江藤に対して西郷は不信感を抱いていたのでしょう。

 

一方、好相性なのが勝海舟(左脳3次元)と坂本龍馬(右脳2次元)である。勝は当時の日本の置かれた状況の本質を掴んでいた3次元型人間であり、官軍や幕府からも独立した立場をとっていた。一方の龍馬の一番の特徴が右脳2次元の情の深さで、可愛いげのあるのが好かれたのだろう。

 

         総括


冒頭でも述べたが、17世紀なら戦国時代からの脱却、20世紀なら明治維新といったような激動の時代において、過去の先人たちは生き抜いてきた。そして21世紀は仮想通貨やDLTなどのブロックチェーン革命などだ。これから、数年先の見えない時代を生きていくにあたって、自分がどういう人間であるのかを理解し、そして他者理解を深めることで、円滑な人間関係や幸せな生活を送ることができるのではないだろうか。

 

         余談


篠浦医師作成の「篠浦脳活用度診断」当てはまる英語を選んで各タイプの数を合計する。4タイプのなかで合計点が最も高い点数のものがあなたのタイプです。
例:楽しいことが一番好きだ A
  交友関係は広い方だ   B

A:2点
B:1点
C:0点
     ○右脳3次元型人間

 

常にテンションが高く、声が大きい
エネルギッシュだと言われる。
人を説得するのは得意な方だ。
交友関係は広い方だ。
なにかに挑戦するものがあるとエネルギーがでる
成功して有名になり、周囲の注目を浴びたい
政治的に動くのは得意だ
過去の失敗は大抵忘れ、成功例しか思い浮かばない
人と違うことをやりたいといつも思う
楽しいことがひと一倍好きだ。

 

      ○右脳2次元人間

 

世話好きで困っている人をほっとけない。
大きな団体よりは小グループの方が落ち着く。
人に感謝される人になりたい
白黒つけるのが苦手だ。
仁義や筋を通すことが重要だと思う。
人に会うとまず喜ばせたい。
自分のことが後回しになることが多い
自分が関わった人や教え子・部下が育つことほど嬉しいことはない
人間関係が重荷に感じることがある。
過去を思い出すと哀しいことが沢山あったと感じる

      ○左脳3次元型人間

 

冷静に理路整然と話すほうだ。
チームの責任者に向いていると思う。
「根回し」のような活動は苦手だ。
自分は大器晩成型だと思う。
即断即決を求められるとストレスを感じる。
自分が無駄だと思うことは絶対したくない。
自分の実績を数値化することが自信に繋がる。
自分の感情は表に出したくない。
一人で本を読んだり考えたりするのが好きだ。
宴会で自分の席から動くことは普通しない。

 

      ○左脳2次元型人間

 

強く信じている主義や信念がある。
規則には忠実に行動したい。
「君の言うことは正論だが」とよく言われる。
「怒り」の感情が原動力になることがある。
ルールや原理原則を守っていると安心感がある。
小さなことでも気にかかることが多い。
自分の考え方を他人に当てはめて攻めてしまうことがある。
普段は物静かだが、追い込まれると激情に駆られることがある。
自分が予測できない自体になるとひどく不安になる。
しゃべり方が抑揚がなく声が小さい。

 

    プレジデント2018年2月12日号より

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